はー、疲れた。
仕事から帰ったおれは、家に帰るとポストを開けた。
すると、そこにはAmazonの小さい封筒っぽい入れ物が入っていた。
たぶん、CDかDVDを注文したときの入れ物だろう。
おれは、それをみてピンときた。
そうだ、Amazonで注文してたCDが来たのだ!
「お、きたきた。」
早く開けたくなって、入れ物の端をハサミで切って開けた。
久しぶりにやってきたドキドキだ。
入れ物から出すと、段ボールの板が保護材としてCDを挟んでいたので、くっつけているテープを剥がし、段ボールを外した。
すると、待ちに待っていたCDが姿を現した。
それは、今注目されているアイドル・PLAYERSの2nd single「愉快犯」だ。
PLAYERSは最近、結成された7人組の女性アイドルグループで、デビューシングルの「unchain days」が良曲だとSNSで火がつき今注目されている。
このPLAYERS、メンバーが皆、可愛いというのもあるし、楽曲も素晴らしい。
さらに魅力的なのが、振れ幅の広さだ。
シングルのA面にはシリアスなメッセージ性の強い曲を持ってくることが多いのだが、カップリングの曲はそれとは対照的にコミカルな曲を持ってくる。
例えば、先ほどの「unchain days」のカップリングは「ペロペロペロリーナ」という奇妙奇天烈な曲だった。
なんと、楽曲の振れ幅が広い!
なので、テレビでは「振れ幅の大きいアイドル」として紹介されている。
おれもそんなPLAYERSを好きになった。
元々、音楽を聴くのは好きだったが、アイドルはあまり好きではなかった。
しかし、たまたまCDショップに行ったときに「unchain days」を聴いて思わず、CDを買ってしまった。
それから、2nd singleを楽しみにしていた。
おれは、CDのパッケージを開けて、歌詞カードとCDを取り出し、家に置いているCDプレーヤーにCDを挿入した。
そして、1曲目の「愉快犯」が再生される。
愉快犯 愉快犯はキミを見つけてさ 思いがけないことするの 世界観はただ唯一無二 描いた世界を変えないの 願ったことは叶えたくて 他の人を巻き込んでくの 目眩がキミを襲うときに 愉快犯は何もしないけれど ふいに今 したくなって そんな理由で始めるんだ 情けなんていらないから そんなのは綺麗事に過ぎない 言っておくけど 君には何もしないよ それでもいい そこにいるならと言う 愉快犯は優しくないし 世界観は崩さないの 揺らぎなんて何も感じない 願いなんて聞き入れないの 予想外のことは嫌いで いたらすぐに消したいのに ただ楽しんでるだけの下衆で そこに殺意なんてないけれど キミはなぜそんな奴を 好きになって楽しいのか あいつはきっと何も思わない そしてまた罪を犯す 言っておくけど キミは幸せになれない 午前零時に予告が通達するよ 愉快犯は表には出ない 本当の気持ちでさえも 隣でみてることは知ってて あえて手を出さない美学 独りよがりでただ見てるだけ 逃げてばかりいて平気なの 恐れるものなど一つも無い ハマってゆくそして自滅をする キミはまだ好きなのか このままでは巻き込まれてしまう そして予告が通達された 愉快犯は優しくないし 世界観は崩さないの 揺らぎなんて何も感じない 願いなんて聞き入れないの 予想外のことは嫌いで いたらすぐに消したいのに ただ楽しんでるだけの下衆で そこに殺意なんてないけれど 愉快犯 愉快犯 愉快犯はキミを引き連れて 愉快犯 愉快犯 愉快犯はキミと逃げてゆく
なるほど、ミステリアスな歌詞のロックチューンと来たか……。
続いて、カップリングの「dilemma(ジレンマ)」という曲が再生される。
dilemma 僕たちはまだ 繋がってないんだ そう思えたのは 言ってないから いつか言わなきゃ 僕のハートは 柔すぎてまだ 勇気が出ない 今はまだ これで楽しいけれど 何か足りなくて モヤモヤしてる ただ 君が好きだって伝えたいよ この一言の意味が重い まだ そこまでじゃないって思ってしまう こんな僕を愛してくれるの? 頼りないけど そろそろいつか 新しい場所へ 進みたいの けれどあなたは 何を思うの? 二人の距離は 少し離れた 今はただ 一つずつでいいから 音を並べてさ 言葉にしてよ ただ 君が好きだって伝えたいよ この一言の意味が重い まだ そこまでじゃないって思ってしまう こんな僕を愛してくれるの? あなたがいいって言えば 私もいいって でも あなたには分からないかな 私がいいと言えば あなたはきっと そのときあなたは 手を掴んで言う ただ 君と一緒にいたいって言った そのとき君は 涙を零した 何か 僕の中にあるものがすっと いなくなってさ 不安が消えた ただ 君が好きって言うよりもさ 特別なことなのに言えた まだ 君は泣いているけどいいんだよ そして 笑顔を僕に見せたんだ
なるほど、今度はラブソングと来たか……。アコースティックギターが映える曲である……。
そして、最後に3曲目の「トラック祭り」という曲が再生される。
曲名からしてコミカルな曲っぽい。
これは、前作の「ペロペロペロリーナ」の枠か……。ファンの間ではPLAYERSのすでに、シングルのカップリングに入るコミカルな曲のことをペロ枠と呼んでいるそうだ。
今作ではこの「トラック祭り」がペロ枠かもしれないな……。
トラック祭り 「ねぇ どこか行きたいところある?」 って聞いたけど 君はすぐにこう答えた 「あのイベントに行こう」 僕は少し首を傾げた 「それって面白いの?」 トラック祭り行こうよ 僕は苦笑いをした どこでもいいと思ってたけど 絶対楽しいからと 君は絶対譲らない 初デートのチョイス悪い 毎年私行ってるよ かっこいいよ とトラックのこと そんな楽しい顔で 話すと断りにくい でも僕は 君といれるなら 楽しめると思えてきた トラック祭り行こうと 君の話すその顔が 打ち上げ花火見ているみたい トラックパレードあるよ 君が熱弁するけど ただ トラック達が走るだけ トラック祭り行こうよ 僕は苦笑いをした どこでもいいと思ってたけど 絶対楽しいからと 君は絶対譲らない 初デートのチョイス悪い それでも行くことにした 君はトラックに夢中 僕はただ置いてけぼり
やべー、やっぱ奇妙奇天烈な曲だわー。
でも、すごいのはこの3曲全部、同じ人が作詞してるんだよなぁ。
このPLAYERSは作詞家で音楽プロデューサーの保本アキトがプロデュースしている。
保本自体の振れ幅が広いんだな……。
おれはしみじみ思った。
コメント