本当のことを教える。

創作ストーリー

本当のことを教える。

あなたは私の娘じゃないのよ。

いや、知ってるよ。

だって、男だからね。

ね、本当のことでしょ?

いや、本当のことというか当たり前だから!

あとね、あなたは赤ちゃんではないのよ。

それも知ってるよ。

ね、本当のことでしょ?

いや、赤ちゃんだったらこうやってやり取りしてないでしょ!

あとね、クリスマスにあなたのところに来たサンタクロースはね

……。

それはね……。

……。

……内緒。

内緒なんかい!

その日は、これで話に区切りがついた。いや、どこで区切ってんだか。

結局、当たり前だし、自分でも分かっていることだし……。

もういい、寝る!

次の日

おはよう

ねぇ、本当のことを教える。

ふぁっ!

最近あなたに、おつかい頼んだじゃない?

ああ。

あれね、隣に住んでいる男の人に頼まれた分も買ってもらっていたの。

何で?

隣の人がね、買いたいものがあるみたいだったんだけど、スーパーの営業時間に行けなかったのよ。

ああ……。でも、何で今言ったの?

忘れてた。

いや、忘れてたのかい!!

あとね、最近、夜も近くなってきたころだったかしら……。

買い物帰りに隣の人を見かけたんだけど、若い女の子と一緒に歩いてたわよ。

へぇー、そうなんだ。

付き合ってるのかどうかは知らないけど、うちの家の前でキスしてた。

いや、どこでキスしてんだよ!

それでね、キスした後、隣の人が一緒に家に入ろうとしたんだけど、隣の人がね女の子に何か言っていて、女の子は悲しそうだったわ。

へー、で?

女の子は悲しそうな顔で帰っていったの。

ふーん、何かかわいそうだね。

そうでしょ?

で、私ね。家に入ろうとする隣の人に偶然を装って、あいさつしたの。

え、よく話しかけようと思ったね。

だって、気になるでしょ!?

「こんばんは。」って言ったら、向こうも「こんばんは。」って返してくれておつかいのお礼を言ってくれたわ。

うん。

で、はっきり聞いてみたの。「さっき、女の子と一緒にいたのを見たんだけどお付き合いなさっているの?」

うん。

そしたらね、「いえ、友達です。」って言ったの。

まぁ、その可能性もあるわな。

で、「そうなの、なんか悲しそうに見えたけど大丈夫かしら。」って言ったら、少し困った顔をしててね。

それは母さんがそこまで聞くからじゃないの?

確かに、私も踏み込みすぎたかもしれないけどね、そしたら「あの、家に行きたいって言ってたんですけど、片付いてないからダメって言ったんですよ。それで帰しました。」

「へぇ、そうなの。」って言ったら、その人ね、私の耳のところ見てちょっとやばいって顔してたわ。

そんで、「あ、じゃあ失礼します。」って言ってたわ。

耳を見てやばいってなったの?

え、そうね。たしかその時はイヤリングをつけてたわ。

どんなイヤリングつけてた?

十字のイヤリングつけてたわ。

十字のイヤリングでハッとなる……。

何となく変な違和感を覚えた。

次の日

なんとなくソワソワしていた。

なんとなくいつもより静かな気がした。

誰かが来る気がする……。

この日はいつも通り過ごした。

そして、夜になって、ご飯を食べ終えテレビを見ているとピンポンが鳴った。

はーい。

母さんが出た。

あら、お隣さんじゃないの。

あ、どうも。実はお話したいことがありまして……。

隣に住んでいる男が来たようだ。少し玄関の様子を見にリビングから覗いてみる。

どうしたの?こんな時間に……。

ちょっと、あのぉ……。言いづらいのですが……。好きです。

ふぁっ!

俺は唖然とした。しかし、すぐに奴の魂胆が分かった。

やつは母さんの首に顔を近づけた。口を開け始めた。やけに長い八重歯が生えていた。

おれは玄関にダッシュした。

やめろ!

冷蔵庫からにんにくを取り出して。

すると、奴と母さんが驚いた。俺は奴ににんにくを近づけた。

そして奴は怯んだ。

あぁ、もうしないからにんにくを近づけないで!

本当のことを教えます。

ダイニングテーブルに俺と母さんと奴が座る。

奴は全てを話した。

自分は吸血鬼で若い女性の血を吸って生きていること。

しかし、死なせたくはないので致死量吸うのではなく、

死なない程度に、少し貧血を起こす程度の量を吸っている。

端正な顔立ちをしているので、女性に近づきやすいんだとか。

まじで爆ぜろと思ったが、ここは我慢。

普段は、男性やババア……じゃなくておばさんの血はあまり好きではないのだが、

今日は一日中、血を吸えず、

空腹の状態だったので母さんの血を吸いたかったとのこと。

そういうことなのね。でも、あなただったら吸われても良かったわ。むしろ、吸ってくれないかしら?

いや、吸われたかったんかい!

この作品はフィクションです。
この作品に出てくる人物は架空であり、
実在する人物・団体とは一切関係ありません。

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