おりたかったんだろうな

創作ストーリー
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1日目

ある日、俺が仕事帰り

地下鉄で乗り換えしようと下りエスカレーターに乗ったんだ。

エスカレーターってみんな片側に寄るだろ?

まぁ、本当は真ん中に乗らないといけないとか言われてるけどさ。

東日本は右に寄って、西日本の人は左に寄るらしいけど、

ここは西日本だから、俺は左に寄ったわけ。

んで、俺の少し前に両側に2人立っているところがあったんだけど

俺の後ろからおじさんが降りてきたんだ。

でも、その前には2人立っているところがあるからそれ以上は下りられないわけ。

俺思ったんだ

あぁ、降りたかったんだろうなぁって……。

「……。」

2日目

この前の土曜日に、友達の会社の後輩が空手をやってるんだけど

何か、ショッピングモールの吹き抜けのところで

入会案内のために、技を披露するってことになったらしくって

で、その先輩が蹴りで野球のバットをへし折ることになったんだって

何か、モールの中にある

ゼビオってスポーツ用品の店で借りたバットらしくてさ

で、それを友達と一緒に見に行ったら、上手くいかなくて

後輩、めっちゃ痛がってた。

俺、思ったんだ

あぁ、折りたかったんだろうなぁって……。

「……。」

3日目

今日さ、出勤途中で地下鉄に乗っていてさ、

ホームの際にいて

下向いてたんだよ

なんとなくなんだけど、落ち込んでいるというか……。

その時、俺思ったんだよ。

あぁ、降りたかったんだろうなぁって……。

いや、見てないで助けろよ!

何、降りたかったんだろうなって。そいつ飛び降りようとしてたって、絶対!

それからどうなったんだよ?

「駅員に取り押さえられたね。でも、本当は降りたかったんだろうなって……。」

いや、それは思うな! 取り押さえられて安全な方がいいんだから!

4日目

昨日、ボクシングの試合をテレビで見ててさ、

結構、終盤だったんだよね。

試合終わりそう! ってなったときに

ピーンポーンって鳴ってさ、

インターホンつけたら宅配便だったんだよ。

これは、出るしかないなって思って出て、サインとかしてたら

試合が終わっちゃったんだよー。

俺、思ったんだよねー。

あぁ、折田、勝ったんだろうなぁって……。

いや、折田って誰だよ! この間のボクシングにいなかったぞ、折田選手って人。

「いや、折田は昨日のボクシングで勝った選手に賭けてた知り合いだよ。」

知り合いなんかい! 選手かと思ったわ。

5日目

この間、折田がさ

出たよ、折田。

実家の庭に穴を掘るんだってLINEしてて

何か植物とかを植えるのかなって思ったんだけど、

スコップやシャベルがないから諦めたってLINEがきたんだ。

俺、思ったんだ。

あぁ、掘りたかったんだって……。

いや、折田、バカだろ。スコップ、シャベルないからって最初から分かるだろ。

それに、何でないから諦めるんだ。手で掘るんじゃダメなのかよ。

「折田、自分を土に埋まろうとしたらしいんだって。それで、咄嗟に思いついたらしい。」

土に埋まるなんて自殺行為じゃねぇか……。この前のホーム飛び降りようとして

駅員に取り押さえられた奴

折田だろ!

「確かに、あいつ、蹴りでバット折れなくて、仕事も上手く行ってなかったからホームから下りようとしたって友達から聞いたよ。」

バット折り失敗したの、折田だったのかよ! 大丈夫かよ、折田

「あ、でも最近、ボクシングの賭けで折田が勝って、負けたやつからジュースを100本貰ったから幸せらしいよ。」

100本⁉ どんな賭けしたんだよ! てか、折田、単純だな!

「お前も、折田に会ってみる?」

いや、いいよ、俺は……。

この作品はフィクションです。
作中の人物は架空であり、実際の人物・団体とは一切関係ありません。

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