陽性の妖精

創作ストーリー
スポンサードリンク

陽性の妖精

ここは妖精の住む森の中

 ここでは、たくさんの妖精が仲良く陽気に暮らしている。妖精は朝から仕事をして、夜になると毎晩、宴をする。その日空いている妖精たちで。

 ただ、強制参加ではないので、騒ぐのが馬鹿らしいと思っている妖精は来ない。

 でも、そんな妖精は少数派なので、やはり、ほとんどの妖精が集まって宴をするのだ。

 妖精の仕事は、人間の子ども、もしくは子供の心を持った大人の手助けをすることだ。

 あらゆる魔法を使い、人間を助けるのが仕事だ。

 そんな妖精たちに大きな転機が訪れる。

 コロナウイルスだ。

 どこか人間からコロナを移された妖精が森の中にウイルスを持ち込み、広がってしまったのだ。

 人間の世界と同じく、ソーシャルディスタンスを守らなければいけないので

  • 毎晩の宴は禁止
  • 仕事をする前にPCR検査を受け、陽性か陰性かを判断される
  • 陽性になったら背中にある羽根で飛行するのを禁止される
  • また、陽性になると2週間ほど自宅療養を言い渡される

ある妖精もそんなことがあった。

ある日、コイロンは目が覚めた。

 その日は仕事だったので、人間の世界に行かなければならなかった。

 しかし、だるかった。

 熱も、少しあるようで咳もする。

 マジか、おれもこうなったか……。コイロンはそんな顔をした。体温計で測ると、38.2Cだった。

 熱があったので、コイロンは会社に電話した。早い時間出勤していた課長が出た。

「こちら、妖精紹介所です。」

「お疲れ様です。コイロンです。」

「おう、コイロン、どうしたんだ?」

「実は、熱が出てしまって、コロナかもしれないので出社できません。」

「おう、そうか。休みなさい。すぐ魔法でPCRのキットを送るから、それで判断しな。

分かったらそのキットを魔法で送ってくれるか?」

「はい、わかりました。ありがとうございます。」

「じゃ、気をつけてな。」

 それから、コイロンの手にPCRのキットが届いた。

 妖精は魔法が使える。魔法使いのように何でも杖があれば欲しいものを出せるし、好きなところへ行ける。しかし、PCRで陽性の結果が出れば、魔法に制限がかかる。

「コロナじゃないといいんだけどなー。」

 コイロンは願った。が、結果は陽性だった。何度やっても陽性だった。

「あー、2週間苦しい思いしなきゃいけないのか……。」

 コイロンは一人呟いた。しょうがなく、魔法で会社にPCRキットを送る。この先が思いやられる。

 寝て、安静になろうかとも思ったが、少し小腹が空いたので、お粥を食べようと思った。

 魔法でお粥を出そうと思ったが、陽性になって制限されているかもしれない。

 制限されると何もできなくなるのだろうか。そう思ったが、一度、コイロンは自分の杖を(杖と言っても小さい棒のようなものだが)振り上げた。すると、テーブルにお粥が出てきた。

 どうやら、お粥を出すのは制限されていないようだ。

 おぉ、出てきたという顔をして、コイロンはお粥を一口食べた。が、味がしなかった。

「……。」

 味覚障害まで症状が出てしまったようだ。コイロンは絶望した。

 それから、お粥を残し、しばらく寝た。

 ふと起きると、時間は夜になっていた。

 はぁ、他の妖精は仕事終わって自由に過ごしているんだろうなぁとコイロンは思った。

 そう思うと、なんだか寂しい気持ちにもなった。誰かと話したくなったコイロンは親友のナルスに電話してみた。

 プルルルル

「もしもし? コイロン?」

「よう、ナルス。今時間あるか?」

「ああ、今仕事帰りだからいいぞ。お前も仕事終わりか?」

「いや、おれ熱出ちゃって寝てた。」

「そうだったのか……。大変だったな。もしかして、コロナか?」

「あぁ……。そうなんだよ。本当につらいわ。」

 ナルスは幼馴染でずっと親友である。違う会社に就職しているためナルスはコイロンが休んでいることは知らなかった。

「コロナも人によって症状の重さが変わるからなぁ。」

新型コロナウイルス(COPID-19)は、熱やせき、味覚障害や嗅覚障害といった初期症状があって倦怠感とかも出るそう。軽い人なら1週間以内で自然と治る人、いや、妖精もいるらしいが、10日経つと、もっと重症になって肺炎になるらしい。そうなると、薬などを使う必要がある。

「まぁ、1週間で自然と治ればいいんだがな。」

「そうか、1週間な。」

「とりあえず、様子見な。」

「さすが、医者を目指していただけあるな。」

「よせやい。」

 ナルスと話したことで、少し気持ちが落ち着いた。

それから、2週間後

 2週間たつと、おれは仕事に復帰できた。

 幸い、1週間で熱がひき、せきも収まり、味覚も戻ってきた。おれはまだ軽い方だったのだ。

 しかし、元気になっても、周りに広める可能性があるため、会社に体調が治ったことは1週間前に伝えたが、しばらく自宅療養するように言われた。

 まぁ、納得いく。しかし、あとの1週間、どうやって暇をつぶしたらよいのか分からなかった。今思えば、読書とか勉強すれば良かったかもしれない。

 しかし、ずっとテレビを見て暇をつぶしていた。もったいないと思った。

 まぁ、こうして治って仕事できるようになったので良かったけれど、

 重症の人の中には死ぬかもしれなかったり、すっと倦怠感が後遺症として残っていたりする。おれは恵まれていたんだと思って、これから生きていこうと思った。

コイロンのようにコロナで辛い目に遭わないように、マスクをつけるだけでなくさらにキンバリアしましょう!

この作品はフィクションです。
作中に登場する人物・団体は架空であり
実際の人物・団体とは一切関係ありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました